新開発消せるタトゥーインク/続報
06,10月更新
(アメリカ)
以前、TATTOO DEPTでもご紹介した消せるインクの開発の続報です。
マサチューセッツ総合病院(以下MGH)とブラウン大学の研究者の
おかげでタトゥーを入れるかどうか、
消すかどうかという選択はより簡単になるでしょう。
リチャードR.アンダーソン
(ハーバード・メディカルスクールの皮膚科学の教授、
MGHウェルマンセンターのディレクター)は、
新しく発明された完全に消す事が可能で安全なタトゥーインクの
テストを進展させた。「このタトゥーインクは、永久に消えない様に
顔料の小さなミクロン以下の粒子から出来ているが、
その粒子を壊したら、外に出た顔料は消えます。
現在、タトゥーに用いられるインクとは異なり新しいインクは安全な
食品医薬品局認可の材料から作られる最初のタトゥーインクである。」
「タトゥーインクのいくつかは、安全でない非無菌の材料を含んでいる
可能性を秘めている物もありこれらはしばしばアレルギーや
他の問題を引き起こします。」とアンダーソン氏は説明する。
現在のタトゥーインクは、消す事が非常に難しい物でもある
完全に消す為にはおよそ4〜12回のレーザー処置を必要とします。
それでも傷痕が残る等のリスクを伴う事もあります。
傷にならないレーザーでタトゥー除去を行っている専門家は、
「今の現状ではもし多色使いのタトゥーを除去したいのなら、
それぞれの色を取り除くのに別々の処置を
必要とするかもしれません。」と語る。
その分回数も増えるため、肌へのダメージや費用も増すでしょう。
しかし、今回開発されたインクは対照的に全ての色が
すぐに除去する事が出来るので、1〜2回の処置だけで済むという。
とはいえ、このインクはまだ開発の余地があるという。
アンダーソン氏は、医学大学ブラウン大学の教授と一緒に製作し
MGHにてハーバードメディカルスクール皮膚科学の準教授、
トーマスJ.フロッテ氏によってテストしている。
「今から1〜2年の間に一般的に使える様になるでしょう。
しかし私は、利益目的でこのプロジェクトに
取り組んでいる訳ではない。私の趣味の一環です。
私が本来やるべき事は、ウェルマンセンターで
ガンや免疫系の病気の研究です。私は医者であり、
タトゥーの専門家ではありませんから。」とアンダーソン氏は語る。
*このようなインクが、
実際のタトゥー業界にどれだけ普及していくのかはまだわかりませんが、
タトゥーを入れたい人にとっての選択肢が一つ増えたという事でしょう。
私個人としましては、一生消えないものだからこそ、
重みや価値があるものだと解釈しています。
入れる前にじっくりと時間をかけて、デザインや入れたい場所、
それを入れた事によって自分の生活にどの様な影響が出るのかなど、
慎重に考える事も大切な事であり楽しみでもあると捉えています。
すぐ消せるからとはいえ、それなりに時間も費用もかかる訳ですし、
痛みも伴います。肌へのダメージも多少なりともあるでしょう。
なにより施術した彫師さんと自分との共同作業で
出来た作品には変わりありません。人体に害のない安全なインクと
いう点に関してはこれからも積極的に究めて行くべきだとは思います。
しかしこのインクの登場により、決して
「お手軽になった」と捉えてほしくはないと思っています。
■writer: nonaka■
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